2021 SUPER GT Round.7 もてぎ レースリポート

決勝での追い上げを誓うも、GT500車両に弾かれ、完走扱いならず……

公式練習 11/6(土)9:25〜 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:13℃ 路面温度:23℃

コロナ禍以前は最終戦として同時期に開催されていた、ツインリンクもてぎでスーパーGTの第7戦が行われた。最終戦の前のレースといえばサクセスウェイトが軽減される一戦で、GT300クラスでは獲得したポイントの3倍から1.5倍で済む。それでも黒澤治樹監督が指揮をとる、K2 R&D LEON RACINGは42kg積んでの戦いとなり、いかに2017年からの6戦で3勝を挙げた相性のいいサーキットと言え、予断はまったく許されないはず。
しかし、豊富なデータをもとに施された持ち込みのセットは大きく変更されることなく、公式練習では順調にメニューがこなされていき、蒲生尚弥選手は序盤のうちに1分47秒180を記録して、スピードを極めることに成功。そこからは決勝での強さを鍛えていく。開始から50分ほど経過したところで、菅波冬悟選手と交代し、ロングランが試されていった。

公式練習の順位は14番手。「自分たちの持ってきたものでベストを尽くします」と黒澤監督。

公式予選 11/6(土)Q1/14:38〜 Q2/15:13〜 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:18℃ 路面温度:29℃

11月に差し掛かり、例年なら肌寒ささえ感じた一戦だったが、今年は季節外れとも言えるコンディションに。予選開始直前の路面温度は、30度近くまで達していた。オーバーテイクポイントが少ないもてぎでは、予選で上位につけないことには勝負権はないも同然。ただし、公式練習では菅波選手がコンスタントにタイムを刻んでいたことから、安定感は実証されていたこともあり、一発の速さに定評のある蒲生選手に今回もQ1が託されることになった。温度は想定外の高さではあったが、蒲生選手は普段通り入念にウォームアップを行い、アタックは計測3周目から。まずは1分47秒025を記し、続けてのアタックで1分46秒823にまで短縮を果たす。が、先に行われたA組であれば、十分突破可能なタイムだったものの、組み合わせの妙に涙を飲むことに。コンマ1秒にも満たない差で9番手に留まってしまう。

「残念でしたけど、しょうがないです。決勝ではできる限り頑張りたいと思います」と蒲生選手。

 

決勝レース 11/7(日)13:00〜 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:19℃ 路面温度:29℃

土曜日までは好天に恵まれ、しかし決勝レースの行われる日曜日は、少し崩れるとの長期予報ではあったが、この時期とは思えぬほど、引き続き穏やかな天候となっていた。そのことはまた土曜日に行われた公式練習、予選で得たデータが当てはまるということ。17番手からの厳しき戦いは覚悟の上で、決勝前のウォームアップを走った上で、黒澤監督はタイヤ無交換も視野に入れていた。
K2 R&D LEON RACINGのスタートを担当した菅波選手はポジションキープからレースを開始し、まずは上昇のチャンスを待つことになった。ところが機が熟する前に、アクシデントが発生。GT500クラスの集団とのファーストコンタクトとなった9周目に、バトルをしていた車両に絡まれる格好となり、ヘアピンで弾き出されてコースアウトしてしまったのだ。
なんとかピットに戻ることができた菅波選手だったが、マシンにダメージはなかったものの、大量の砂利を拾っており、中途半端な状態でコースに戻せば、周囲に迷惑がかかるため、徹底的な清掃を黒澤監督はメカニックに指示。これにより大量のロスタイムを抱えることとなったが、無事レースに復帰を果たす。


後半スティントを担当した蒲生選手は、さまざまなメイク&トライを行なったことで、最終戦につながる貴重なデータも獲得。残念ながら規定周回数に満たず、完走扱いにならなかったLEON PYRAMID AMGだが、ノーウェイトとなる最終戦で、きっとシーズンを締めてくれるはず!その戦いは3週間後の11月27〜28日に富士スピードウェイで開催される。終わり良ければ……という展開になることを期待したい。



決勝を終えて

黒澤治樹監督

砂利がすごかったから、そのまま出すわけにはいかなかったので、しっかり掃除して、また送り出した感じでした。とにかく予選で前に行けず、決勝を後ろで戦わざるを得なかったから、ああいうことに巻き込まれてしまったんです。ドライバーも抜かれたくないから無理しているので、リズムに乗れなかったというのもありました。自滅しているようなものなので、それは反省しています。かなり悔しいけど、最後にいいレースができるよう、最終戦は頑張ります

蒲生尚弥選手

残念な結果に終わってしまいましたが、最後はタイヤテストみたいな形で走れたので、そこで得たことが最終戦に活きると信じて、最後まで頑張ります

菅波冬悟選手

巻き込まれ事故みたいな形になってしまいました。今回の経験をひとつの糧として、同じような状況になった時でも、冷静に判断し、止まらないように帰ってこられるようにしたいです

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