2020 SUPER GT Round.8 富士 レースリポート

最終戦を4位でフィニッシュ、シリーズランキング3位で今シーズンを終えた

公式練習 11/28(土)9:00〜 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:14℃ 路面温度:16℃

例年とは異なり、富士スピードウェイが舞台で250kmではなく300kmで、ノーハンデの戦いとなったスーパーGTの最終戦。LEON PYRAMID AMGを駆る、蒲生尚弥選手と菅波冬悟選手にとって、チャンピオンがかかった大事な一戦ではあったが、黒澤治樹監督は「いつもどおり、ミスをしないで一丸となって仕事をする」ことをスタッフ全員に指示していた。公式練習では、蒲生選手が序盤のうちにスピードを極め、136394を記してからは決勝セットが詰められていく。普段なら菅波選手に交代すると、そのまま最後まで走り続けるのだが、今回は確認事項があったため、途中で再び蒲生選手が乗り込むことに。それでも最後のGT300単独のセッションは菅波選手がドライブし、136761をマークするまでとなった。
最終的な公式練習の順位は8番手。もちろん本戦に向けた準備は万全だ。「こういう状況でレースできることを、プレッシャーも楽しんでやっていきたいと思います」という蒲生選手の言葉が力強い。

公式予選 11/28(土)Q1/13:33〜 Q2/14:08〜 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:13℃ 路面温度:17℃

今回も黒澤治樹監督は予選Q1担当に菅波選手を起用。B組においてLEON PYRAMID AMGは、低い温度に対して、いつもより多めのウォームアップを行ってからアタックがかけられ、135914が記録された結果、2番手につけて難なくQ1突破を果たすこととなった。
続いてQ2に挑んだ蒲生選手も、同様に計測4周目からアタックを開始。135823をマークした後も、さらにコースを攻め立てて135436にまで短縮を果たし、5番手につけることとなった。



「予選は自分たちの力を出しきれたと思うので、本当に良かったです」と蒲生選手。ただし、現在のポジションを守っただけでは悲願成就はかなわぬことから、決勝ではさらに順位を上げる必要がある。もちろん、そのための準備に抜かりはなかった。
「今のところ順調です。明日はレースがどう進むか分からないので、きっちりレースすることが必要だと思っています。ライバルより1秒でも前でゴールすることに徹して頑張ります」と黒澤監督は語っていた。

決勝レース 11/29(日)13:00〜 天候:曇り 路面:ドライ 気温:9℃ 路面温度:17℃

人数は未発表ながら、多くの観客をスタンドに受け入れた決勝当日の富士スピードウェイは、上空に雲が浮かぶようになり、日差しが遮られたことで気温はさらに下がって、ついに10度を切るまでに。望んだのはもっと高めの温度だったが、こればかりはやむを得まい。今回も決勝レースのスタート担当に、黒澤監督は菅波選手を起用。LEON PYRAMID AMG5番手からスタートを切り、オープニングラップで1台、2周目にもう1台の先行を許したものの、これはタイヤコントロールしていたため。菅波選手はコンスタントに周回を重ね、ミニマムの周回、19周目にピットイン。

給油と蒲生選手への交代だけを行い、22.3秒という極めて短い時間のロスだけで、LEON PYRAMID AMGをコースに送り出した。同じ頃、ピットインを行なったチームの中では、もちろん最上位でその後、ピットに入るチームがあるたび順位は上がっていく。しかし、トップを走行していたチームもタイヤ無交換としたため、レースが完全に落ち着くと蒲生選手は2番手に。ただし、そのポジションであればタイトルを獲得することができたものの、問題はライバルの動向だ。後方から近づいてきた車両こそ、ランキングトップのチーム。あとひとつ順位を上げられただけで、逆転はかなわなくなる。しかし、ポイントリーダーは51周目に3番手に浮上し、その勢いで55周目にはLEON PYRAMID AMGをもパスし、さらに蒲生選手は次の周に4番手に後退。そのままのポジションでゴールした結果、ランキングは3位に終わることに……。とはいえ、このレースはチームが最も目指していたところの「ミスのないレース」でもあった。
悔しさの一方で、達成感もピットの中にはあったのは紛れも無い事実である。来季のリベンジにご期待いただきたい。

決勝を終えて

黒澤治樹監督・・・

「チームとしてやれることは、すべてやりましたし、ブリヂストンさんが持ってきてくれたタイヤの中で合わせ込みましたが、力及ばずという感じでした。今のBoPの中で自分たちにできることは、ミスなく戦うこと。じゃあ、ミスがなかったかというと年間1回か2回、そのレースが命取りになって、結果として響いている……。とはいえ、今回のレースはミスなく戦えたし、うまくいったレースだと思っています。
応援してくれた皆さん、サポートしてくれた各社、スポンサーの方々、皆さんの存在があってレースができるので、皆さんの応援や声援に感謝したいと思います。1年間、ありがとうございました」

蒲生尚弥選手・・・

「もう少し気温が上がってくれれば、僕らに有利だったんですけど……。でも、やれることはやったので、悔いはないです。今シーズン、コロナ禍という大変な状況の中、応援してくれた皆さん、ありがとうございました」

菅波冬悟選手・・・

「チャンピオンを獲れる実力に及ばなかったところはいろいろあるので、ドライバーとしてまた成長できるように、また、もっとできるはずだと思って、これからも頑張ります。1年間、応援ありがとうございました」

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