まさかのバッドラックで無念のリタイア
公式練習 8/3(土)8:50〜 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:28℃ 路面温度:31℃
タイから戻って約1か月。スーパーGTは再び日本に舞台を戻し、富士スピードウェイで第5戦が開催された。今回のレースは500マイル(約800km)の長丁場で、大量得点が可能。また、ドライバー交代を伴うピットストップは4回が義務づけられ、戦術の妙も問われる一戦だ。今回も公式練習は、黒澤治樹選手から走行開始。持ち込みのセットに外しがないことは、早々に1分39秒台が記録されたことで確認された。コンスタントに周回を重ね、約30分を経過したところで蒲生尚弥選手にバトンタッチ。
そのままセッション終了まで走行し続けた。その間、4回ピットに戻ってセットの調整、タイヤ交換を行うも、いずれも短時間で済ませ途中6分間の赤旗中断があってなお、蒲生選手は30周を走行。黒澤選手と合わせたLEON PYRAMID AMGの総周回数は実に44周に達し、これはGT500も含め最多ともなった。
蒲生選手もまた1分39秒台でコンスタントに周回を重ね、終了間際に1分39秒205をマーク。決勝を見据えたセットアップが、順調に進んでいることを明らかにした。
公式予選 8/3(土)Q1/14:50〜 Q2/15:35〜 天候:くもり 路面:ドライ 気温:31℃ 路面温度:40℃
公式練習に比べれば、上空を白い雲が浮かぶようになったが、厳しい暑さには変わりはなく、路面温度はついに40度に到達。
当然、より厳しい条件にはなったものの、Q1を担当した蒲生選手がスーパーアタックを披露してくれた。入念なウォームアップの後、アタックを開始すると、1分37秒893と公式練習のタイムをほぼ1秒半上回るタイムを記録して4番手につけたのだ。これには蒲生選手も「予想していた以上のタイムが出て、ちょっとびっくり」と本音が。
Q2を担当した黒澤選手も、このレースウィークの自己ベストを更新する1分38秒073をマーク。決勝レース重視のタイヤをチョイスしていたことから、ポジションは12番手であったものの、悪くない結果にピットの中には笑みが溢れていた。
とにかく今回は500マイルもの長丁場、一発の速さより決勝レースでの安定感は、普段のレースより圧倒的に重視される。
LEON PYRAMID AMGの激しい追い上げに、大いに期待が込められることとなった。
決勝レース 8/4(日)13:40〜 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:33℃ 路面温度:51℃
決勝レースの行われた日曜日は、さらに温度が上昇してスタートを控えた段階での路面温度は、なんと50度を突破。だが、これはタイヤ選択を含み、想定していた状況であった。
今回のスタート担当は蒲生選手。オープニングラップこそポジションキープながら、2周目には早くも1台をかわし、その後もLEON PYRAMID AMGはオーバーテイクを繰り返していく。14周目には6番手にまで上がり、ライフにも自信のタイヤとあって、ライバルが早々とピットに入るのを尻目に 一時は3番手にまで浮上。
最初のドライバー交代を33周目まで引き延ばすことにも成功する。第2スティントを担当した黒澤選手も、安定したペースでの周回で5番手にまで返り咲き、60周目に再び蒲生選手とバトンタッチ。
素早い作業でコースに送り戻され、かつ、まったく乱れぬペースで引き続きオーバーテイクを重ねていく光景に、ライバルたちも動揺を隠し得なかったはずだ。
ところが2時間を経過して間もなくの73周目に、LEON PYRAMID AMGは突如、白煙を吹き上げてスローダウン。
ピットにはたどり着いたものの、再始動はならず、無念のリタイアを喫することとなった。
他車から脱落したパーツがオイルクーラーを直撃したのが原因だった。
次回のレースは9月7〜8日に大分県にあるオートポリスで開催される。
また、それに先駆けて次週、8月10〜11日にはスポーツランドSUGOで公式テストが実施され、もちろんK2 R&D LEON RACINGも参加する。
テストでマシンをしっかり仕上げて、最善の状態でオートポリスに臨むことをチーム全体が誓っていた。
決勝を終えて
溝田監督 ・・・
決勝では、クルマのバランスも取れて、作戦通りに進んでいましたが、セーフティカー明けに小さく硬い部品が、網を突き抜け、オイルクーラーが破損してリタイアとなってしまいました。
順調な時ほど、落とし穴があると言う事を改めて学びました。
黒澤選手 ・・・
非常に残念です。前のクルマから硬いものが、具体的に言うとホイールに着いているバランスウエイトが、我々のクルマに飛んできてグリルを貫いたばかりか、オイルクーラーまで痛めてしまいオイルが漏れてしまったのがリタイアの原因です。
バッドラックとしか言いようがありません。ふたりともペースは良かったし、優勝は難しかったかもしれませんが、いい結果は残せていたと思います。
タイヤ選択も完璧だったし……。仕方がないです。次のレースでしっかり巻き返します!
蒲生選手 ・・・
決勝のペースも良くて、あのまま走りきれていれば、いい順位に行けたと思うんですけど、不運でした。タイヤ選択も完璧で、何度もオーバーテイクができたし、途中まではすごくうまくいっていました。
残念ですが、仕方ないですね。でも、今回のレースでパフォーマンスは示せたと思いますし、今回の富士でセットアップもより進んだ感じもあるので、次のSUGOテストやオートポリスの本番に向けて、いい結果を出せるように次も頑張ります。