2019 SUPER GT Round.4 THAILAND レースリポート

予選6番手からの追い上げ、今季初の表彰台へ!

公式練習 6/29(土)10:00〜 天候:くもり 路面:ドライ 気温:30℃ 路面温度:35℃

年に一度、海を渡って戦いが繰り広げられるスーパーGT。今年もタイのチャーン・インターナショナルサーキットで、第4戦が開催された。
例年、猛暑に見舞われるものの、今年は薄い雲で覆われることが多く、また時折さわやかな風も吹いて公式練習は穏やかなコンディションの中での走行となった。

今回、LEON PYRAMID AMGは黒澤治樹選手から走行を開始。蒲生尚弥選手と交互にドライブし、入念にセットアップが進められていった。全車が同条件とはいえ、事前のテストなく走行が開始されただけに、序盤は慎重に周回を重ねていたが路面状態の向上にセットがマッチするようになると、徐々にタイムが縮まっていく。特に終盤を担当した蒲生選手にその傾向が顕著で、GT300単独のセッションで着実にタイムアップ!
終了間際には1分32秒748まで短縮を果たし、トップに躍り出る。まずは予選、決勝に向けて上々の滑り出しを見せていた。

公式予選 6/29(土)Q1/15:00〜 Q2/15:45〜 天候:くもり 路面:ドライ 気温:33℃ 路面温度:44℃

前回に引き続き、公式予選のQ1は黒澤選手が担当。やはり上空には薄い雲が残ったままで、公式練習よりは温度は上がったものの、想定よりは低め。そのため、黒澤選手は普段以上にウォームアップを入念に行ってから、アタックをかけることとなった。確実にQ1を突破することを目標に、堅実な走りを見せた黒澤選手は1分33秒883をマークし、13番手を獲得。Q2にバトンを繋いだ。

バトンを黒澤選手から託された蒲生選手、ウォームアップは短めにして徐々にタイムを上げていく。1分34秒台の連発の後、蒲生選手は公式練習で記したタイムを上回る、1分32秒633をマーク。終了直前のラストアタックこそ短縮は果たせなかったが、想定どおりのタイムを記していたのだが……

しかし、ライバルのタイムの上がり幅は予想以上で、上位2台はレコードタイムをも更新。そのため、LEON PYRAMID AMGは決勝に6番手、3列目から挑むこととなった。

決勝レース 6/30(日)15:00〜 天候:晴れ/曇り 路面:ドライ 気温:33℃ 路面温度:46℃

日曜日は変則スケジュールが採られ、通常は決勝レースの前には20分間のウォームアップが行われるだけだが、その10分前にサーキットサファリが20分間設けられることに。日曜日になるとタイらしさを取り戻し、気温は35度近くにまで達し、本来のコンディションとなっていた。ことウォームアップでは、予選で失いかけていた自信を取り戻すこととなる、ここで蒲生選手が1分33秒748をマークしてトップに返り咲いたからだ。「今のところ、まったく問題なし」と語る黒澤選手のコメントが、なんとも力強い。

決勝のスタートは、前回に引き続き黒澤選手が担当。
ようやく汗ばむほどの陽気の中で、決勝レースは開始される。オープニングラップで1台のGT-Rの先行を許すも、すぐ脇に並んだNSXはパスしてまずはポジションキープからのレース開始に。
その後は前後ともにやや間隔を開けた位置につけて、黒澤選手はコンスタントに周回を重ねていく。その理由は19周目に明らかになる。ミニマムの周回数でピットに入り、蒲生選手と交代、タイヤ交換、給油を済ませコースに戻る。
これにより、LEON PYRAMID AMGと蒲生選手はいったん大きく順位を落とす格好にはなったものの前後には同じクラスの車両が存在しないクリアなゾーンでの走行が可能に。ハイペースでの周回を重ねることが可能となり、ライバルのピットインとともにポジションを上げ時には目の前に現れた車両をオーバーテイクし続けていく。

好都合だったのは、35周目からアクシデントに見舞われたGT500車両を回収するため、5周にわたってセーフティカーが導入されたこと。これにより、先行する車両との差も一気につまり、全車がドライバー交代を済ませた時には5番手に浮上する。だが、それだけに蒲生選手の快進撃は留まることを知らず、49周目には4番手に上がり、続けて3番手の車両にも迫っていく。相手はターボ車とあってストレートで引き離される展開が続くも、最終ラップのターン5でスピンを喫したことで一気に突破口が開くことに。
土壇場でLEON PYRAMID AMGは3番手に浮上し、黒澤選手と蒲生選手は今季初めて表彰台に上がることとなった。

次回のレースは富士スピードウェイを舞台に、8月3〜4日に開催される。
チームのホームコースであり、そして500マイル(約800km)の長丁場は戦略を駆使して結果を得ることが得意なチームにとっては、大量得点を得る最高のチャンス。39kgのウエイトハンデを背負って、楽な戦いは許されないだろうが、一気にランキングを押し上げる機会となることを期待したい。。

決勝を終えて

溝田監督 ・・・
タイで、今季初表彰台に上がる事が出来、毎年応援に来てくれているチームスポンサーのタイ・ピラミッドの方達に良い所を見せられて良かったです。
次戦の富士でも、継続して上り調子で頑張ります。

黒澤選手 ・・・
我々のできることは、すべてできたと思います。
GT-Rの2台はストレートが速かったから抑えられなかったけれど他のクルマは抜けたし、トップ集団にもついていけたから、それは良かったと思います。
あらかじめ早めのピットインは決めていて、その後は蒲生選手が頑張ってくれたし何よりセーフティカーが出たから、あのタイミングで良かった。もし引っ張っていたら、この成績はなかったでしょう。
毎年応援に来てくれている、チームオーナーの会社、THAI PYRAMIDのスタッフの皆さんの前でいい成績を出したかったから、こうして表彰台に上がれて良かったです!

蒲生選手 ・・・
ペースも良くて、タイヤも最後までタレませんでした。
ちょっと(3番手だった車両を直接)抜くまでにはいかなかったんですが、GT500とのタイミングがうまく噛み合ってその間をうまく抜けたという感じでした。本当に運が良かったです。
この流れで後半戦も頑張ります。

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